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INTERVIEW 04
松本理寿輝 × 古本伸一郎
ナチュラルスマイルジャパン株式会社 代表取締役

2015.04.09

ふるもと伸一郎
「まちの保育園」を訪ねる


大人が立ち寄る保育園?

古本
カフェと保育園が同じ施設にあるなんて、これまでの保育園とはぜんぜん違ったイメージですね!保育園は普段、なかなかお邪魔する機会がないですからね。いやぁ、子どもの声が聞こえてくるって何だかすごく和みますね。
松本
はい、皆さん思い思いに使って頂いてありがたいです。
子育て世帯以外の方でも保育園に立ち寄って頂くにはどうしたらいいかと考えていた時に「美味しい飲食店が入っていたら人が立ち寄りやすくなるのでは?」と思いつき、地域でおいしいお店を営んでいたオーナーさんに「地域にひらく保育園で一緒にカフェをやりませんか?」とお願いして実現しました。
古本
新しい取り組みをしている保育園があると聞いて小竹向原に来てみましたが、どうして保育園に人を集める必要があるのか?いろいろと興味深いですね(笑)
松本
学生のころから夢だったんですよ、子どもの環境をつくる事が。
でもすぐには難しくて、サラリーマンを経て、会社の経営の仕方を勉強するために起業したりして、4年前にようやく1園目が開園したんです

こちらが入口。子ども達の笑い声とパンのいい香りに包まれています。


日本の子育てはもっと充実させることができる!

子ども達の根っこを太く育てることが大切だと 考えているんです、と松本さん。

古本
幼稚園無償化が実現すると事実上、幼稚園の義務教育化となると同時に保育園の無償化対象も3~5歳が適応となるんです。
でも私は本来、女性の社会進出を応援する為には0~2歳の保育をできる限り政治が応援するべきだと考えているんです。
松本
保護者の声を聞くと、本当は1年育児休暇を取りたいと思っていたけれども保育園に預けられるか不安の為に0歳のうちに預け先を確保すべく早期の職場復帰をされている現実もありますね。
古本
ひとり授かったけど、預け先の不安で第二子を躊躇するという女性も多いという話も聞きますし、やはりこれは政治が何とかしなければいけないテーマだと思っています。
松本
一方で私は子どもにとって「豊かな環境」も考えていかなければいけないと考えているんです。
日本の制度は3歳は2015年度からは15人・4歳以上は30人までひとりの担任でみられるという保育士の最低配置基準があります。これは世界的にみるともう少し充実させていきたいです。
私たちも人員配置について工夫していますが、実際にその人数をひとりの先生でみるのはかなり高度な専門性が求められると思います。

街が子どもの生きるちからを育くむ

松本
0〜6歳は人格を形成する上で一番大切な時期で、その時期に出会った人や関わり方がその後の成長に大きな影響を 与えるとも言われています。
そんな時期に今の子ども達が関われる大人が「若い女性」に偏っているのでは?と気がついたんです。
核家族化や地域交流の希薄化の中で子ども達の生活は家庭と保育園の往復なんですね。
また家庭では父親の平均育児参加時間が約20分という統計もあり、ほとんどの時間が母親によって支えられているのが現状です。
保育士も現状は若い女性が大半です。
子どもが多様な人格に出会う機会を提供するにどうすればいいか?と。
古本
あ、なるほど!それで地域の人たちの力を借りようと。
エントランスに地域の方々と交流している写真がありましたね。
松本
そうなんです。
その工夫として「コミュニティーコーディネーター」という担当を各園に配置しています。
子どもの関心を大切にしながら、地域の中で子ども達にとって豊かな出会いを見つける保育園と地域をつなぐ橋渡しのような役割ですね。
また逆に、地域からの声を保育に生かすような取り組みも行っています。
古本
そこで子ども達が様々な世代や価値観とのふれあいが生まれるんですね。
昔は近所のおじさんやおばさんとの関わりもありましたが…
そのような機会を大切に考えて、取り入れてるんですね。
松本
コミュニティーコーディネーターが子ども達と地域をつないだ例として「鳥博士」のプロジェクトがあります。
きっかけは園児からの「鳥の声が聞こえるね」というひと言でした。
その声を聞いたコミュニティーコーディネーターが近隣にある企業に在籍されている鳥の専門家を訪ね、来園して頂いたんです。
その方と子ども達が近隣を散歩して、鳥について研究を重ね、巣箱を設置したり…と子ども達にとって貴重な経験をさせて頂きました。このプロジェクトは今も続いています。

保育園が街のちからになるとは新しい発想ですね、 と古本。


日本の子育てはもっと充実させることができる!

木のぬくもりが感じられるエントランスには絵本や 地域行事の案内など楽しいスペースも。

松本
「保育園」という場所はその枠組みを超えて、地域のひとりひとりが「より良く生きる」ことにつながる取り組みができる場になるのではと私は考えています。
古本
地域のおじさんにとスポーツを一緒にすることで子ども達が笑顔となり、その笑顔を受けたおじさんは子ども達から力をもらうということですよね?
それが街の活性化にも繋がるということでしょうか?
松本
そうです。
まちの保育園のコンセプトは、子ども達の環境を豊かにするだけではなく地域の中で保育園がどう役割を得られるかを考えて、子ども達にとっても保護者にとっても地域にとっても、みんなが豊かになる街づくりのお手伝いをしていきたいと思っています。
古本
すばらしいコンセプトですね。
「まちのパーラー」さんでおいしいランチを…と思っていましたが、すごい行列!今日は諦めます、ありがとうございました(笑)

松本理寿輝
1980年生。1999年一橋大学商学部商学科入学。2003年博報堂に入社。フィル・カンパニー副社長を経て、2010年4月ナチュラル スマイルジャパンを創業。「まちの保育園 小竹向原」「まちの保育園 六本木」「まちの保育園 吉祥寺」を開園。