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INTERVIEW 02
麻実れい × 古本伸一郎
女優

2015.02.19

麻実れいさんと私の誕生日は3月11日です


東日本大震災のあの日

古本
3年前の私たちの誕生日、東日本大震災が発生しました。麻実さんはあの日、何をされていたのですか?
麻実
近所の公園で台本を読んでいました。その少し前に巡演があったのですが、東日本の海岸線を散策したばかりだったんです。私は地方に行くと一人でその土地を歩くのが好きなので。美しい景色が心に残っていただけに、変わり果てた景色がとても辛かった…
古本
そうですね。
一瞬にして世界が変わってしまったあの日は忘れられないです。
麻実
忘れられない日となってしまいましたよね。日本中がどうなってしまうんだろうという不安からほんの少し光が見えてきたような気がします。
古本
あれから3年、たくさんの課題がまだ山積みですが、私も日本を元気にしたいんです。先日、宝塚歌劇団が100周年を迎えられたそうですね?様々な歴史を超えて、人々に夢を与えてきたのが宝塚だと思い、トップスターの麻実さんとこうしてお話させて頂く事で少しでも皆さんに喜んで頂けたらと。
麻実
何が出来るか分かりませんが、私もあの日のことを忘れずに頑張っていこうと思っています。言葉って人に力を与えるじゃないですか?舞台に立つと何百回も同じセリフを言うんですが、一度も同じ空気になることはないんです。なので私は、人の心に残る表現ができたらと思っています。

東日本大震災に思いを巡らす


宝塚の麻実・トヨタの古本

自身のキャリアについて語る古本

古本
麻実さんは宝塚15年ですが、舞台活動は40年以上ですよね?圧倒的に退団後のキャリアが長いんですよね。
麻実
そうなんですよ。今も「宝塚の麻実」と言われています。退団後もお陰様で様々な観劇賞を頂いてるんですが…
古本
私もまったく同じなんです。どこへ行っても「トヨタの古本」なんです。この世界で10年、与党も経験させてもらって、政治が逃げてきた消費税を決めて、党内では「税といえば古本」と言って頂けるようになったんですが…どこに行っても「トヨタの人」と言われてるんですよね。
麻実
そうそう!わかるな~その気持ち(笑)宝塚への感謝の気持ちや誇りは強いんですが、私も葛藤していた時期がありました。でも、今では「宝塚の麻実」けっこう気に入ってますよ。むしろそれを力にしようって思っています。時間はかかりましたけどね…
古本
そうですよね。私もそのお陰で今があると思うようにしています。

「男役は女性の理想」と麻実さん

古本
宝塚は4500人の卒業生がいらっしゃるそうですが、退団後は7割が舞台から去り、全く別の人生を送っていると聞いて驚きました。
麻実
そうなんですよ。主婦をされてる方や起業されてる方、中にはタクシー運転手になった方もいらっしゃるそうです。
古本
舞台に立ち続けることがいかに大変な事か…外からは分かりませんね。麻実さんは子どもの頃から女優になろうと思っていたんですか?
麻実
私は神田の出身で本当に軽い気持ちで音楽学校を受けたんです。ホームシックにもなりましたが、宝塚の駅にある売店のおばちゃんに「あなたは男役やるために生まれてきたような子だ!」と励まされて(笑)のちにトップまで務めさせて頂きました。
古本
女性が男を演じるってどういう風に役作りをするんですか?
麻実
宝塚ファンの方は「理想の男性」を男役に求めていると思っているんです。
古本
ご主人やボーイフレンドにはない理想ということでしょうか?
麻実
そう、非現実の世界の理想の男性をね。こちらもそれに応えようと…私は洋画をよく見て研究していました。脚の組み方から指先の動きまで、何度も何度も見て研究して役を創っていくんです。

男役をやるために生まれてきた逸材


チームとなることの大切さ

春の日差しを感じつつ日本の未来を語り合う2人

古本
女の園とはいえ、厳しい世界なんでしょう?
麻実
体育会ですね(笑)かつての宝塚には定年がなくて、ベテランの専科さんがいらっしゃったんです。周りから一目も二目も置かれていて、そういう方たちが入ってくると稽古もピリッとするんです。
古本
そういう存在って大切ですよね。
麻実
そうなんです。床山さんも新人にはわりと厳しかったりするんですが、ある時、専科さんが「この子よろしく頼むわね」とひと言仰って下さると、次の日からカツラがビシッと決まる。そういう先輩方にとにかくお世話になり、育てて頂きました。
古本
同じことがこちらの世界にもあります。よく、官僚主導って言われるじゃないですか?あれって永田町と霞ヶ関がお互いに「お前たちなんかにわかってたまるか」って意地の張り合いというか…度量が狭いだけなんですけど(笑)財務大臣政務官として政府の中枢に入ったんですが、官僚たちは「古本ってどんな男だろう」って様子を探っているんです。そんなある時、藤井裕久大臣が「私が信頼している古本だ。みんなよろしく頼むよ。」って官僚たちに話して下さったんです。それから、あっという間でした。本当にいいチームができましたね。
麻実
チームって大切ですもんね。 舞台もまさに役者やスタッフのチームワークがモノを言う世界ですし、成功への道ですから。
古本
これからの復興も日本がチームとなって様々な課題に立ち向かっていきたいです。

麻実れい
女優。1950年3月11日東京都生まれ。1970年宝塚歌劇団入団。雪組トップスターとして活躍する。
1985年退団後はミュージカル・古典・翻訳劇など国内外にて多数の作品に出演。2006年紫綬褒章を受章。